子どもに借金を引き継がせたくない
生前に借金を返済できる見込みがないけれど，子どもをはじめとした相続人に自身の借金を引き継がせたくない方は，生前に債務整理を行うことをおすすめします。
債務整理の方法には，任意整理，自己破産，個人再生があります。
このうち，任意整理とは，弁護士が債務者に代わって，債権者と支払条件などを交渉することをいいます。裁判上の手続きではないため，より柔軟な手続きが可能であり，個人再生や自己破産に比べて利用しやすいといえますが，裁判上の手続きではないため強制力はありません。
自己破産とは，裁判手続により，債務者の財産を換価して債権者に公平に分配するとともに裁判所から許可に基づいて債務の支払義務を免除してもらう手続きです。
借金などの支払債務を免除してもらう代わりに，生活必需品などを除く財産を処分しなければならない点，破産手続中は住居の移転が自由にできない点，郵便物を破産管財人によって管理される点，自己破産をしたことが官報に公告される点などのデメリットもあります。
最後に個人再生とは，裁判上の手続きで，債務の一部を免除した上で残りを分割払い等で支払っていくというものです。個人再生の場合も官報に公告されるなどのデメリットがあります。
このように債務整理には様々な方法があり，どの方法を利用するのがいいかは個々の事情によって異なります。子どもに借金を引き継がせたくないと考えている方は一度弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
