解決事例③(遺産分割)

 

 被相続人が急死し,妻と前妻の間の5人の子が被相続人を相続したという事案です。被相続人と前妻の子との間には,前妻との離婚成立後往き来はありませんでした。被相続人の資産として預貯金約2000万円と,証券約200万円,現金800万円,マンション約2000万円の合計5000万円,負債として税金,葬儀費等約300万円が遺産として遺りました。妻の依頼を受け,遺産分割協議を行いました。

 解決の方針として,住居であるマンションを相続してしまうと依頼人である妻の手許に生活資金を500万円ほどしか残せないことから,前妻の子供たちとは可能であれば一定額で相続分の譲渡を受けたい旨申し出てこれを譲り受け,相続分譲渡の合意のできなかった相続人と遺産分割の協議を行うこととしました。

 その結果,まず5人の子供のうち4人との間で200万円の代償金を支払って合意を成立させ,残り1名とは500万円の代償金の支払いをする代わりに依頼者である妻が全遺産を相続するとの遺産分割を成立させました。相続から解決まで期間はわずか2か月であり,依頼者である妻は,1700万円の生活資金を獲得することができました。